コロルくん物語 #4 森のレストラン(前編)

今日もコロルくんは、ふくろうの森をお散歩。
暖かい時には緑色だった木の葉が、少し赤くなってきました。
北極ではこんな色は見たことがありません。

それもそのはずです。北極はいつも真っ白。
歩くたびにふかふかする緑色も、青や黄色のお花も、ここに来てから初めてみるものばかり。
だからコロルくんは、ふくろうの森を歩くのが大好きです。

いつも思い出したようにお母さんを探しに森の中を歩き回り、
リスやエゾウサギにご挨拶。
森のみんなも、すっかりこの珍しい白い子ぐまに慣れたようです。

「コロルくん!」どこー!」

サラちゃんの声です。
サラちゃんはいつも、お日様が一番高いところに上って神木様の影が一番小さくなる時間に
ふくろうの森にやってきます。

サラちゃんはいつも、コロルくんが食べた事のない
美味しいおやつを、お家から持ってくるのです。
森の木の実やきのこやお魚とはぜんぜん違う、びっくりするほどおいしい物。
そんな予感で、コロルくんのお腹がぎゅうっと鳴りました。

「あ、いたいた!コロルくん!クッキー食べよ!」

サラちゃんが持ってきたのは、バターの香りがふわ~んと香ってくる
ほっかほかの、焼き立てクッキーでした。
サラちゃんは切り株の上に白いハンカチをサッと敷いて
まる、さんかく、しかく、いろんな形のクッキーを、どさどさっと置きました。

すると、クッキーのあまりにいい匂いにつられて、
ふくろうの森のどうぶつたちが、どんどん集まってきました、
エゾリス、エゾウサギ、モモンガ・・・それに、アオッコとオレッコまで。

「うわぁ、みんな来ちゃったのね!どうしよう・・・」

コロルくんと一緒に食べようと思っていたサラちゃんは困りました。
みんなで食べるにはクッキーが足りないのです。

と、アオッコとオレッコが、なにやらヒソヒソ話をしたあと
ハンカチの上のクッキーを囲むように手をかざしました。

ポンッ!

なんと!なんとなんと!クッキーが山盛りに増えたではありませんか。

「うわーっ!」

森のみんなは大喜び。サラちゃんも大喜び。コロルくんのお腹はさらにぎゅぎゅーっと鳴りました。

「すごいすごい!」
さっそくサラちゃん、コロルくんと森のみんなは、クッキーを食べ始めました。

もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ。
お腹がふくれるまでもぐもぐ。お腹がふくれてももぐもぐ。
お腹がきつくてうごけなくなっても、もぐもぐ。

あれ。

へんだぞ。

クッキーが、ぜんぜん減りません。
むしろ、食べる前より増えてます。
なにこれなにこれ。

なんか、大変な事になってきたみたい・・・。

(後編につづく)